雑記

【人生100年時代】高齢化社会の資産形成で炎上した金融庁が本当に伝えたかったこと

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この記事を読んでわかること
  1. 金融庁の『高齢化社会での資産形成』に書かれていた概要がわかる
  2. 『高齢化社会での資産形成』が言いたかったことがわかる

金融庁のサイトで発表された金融審議会市場ワーキング・グループの議事録が注目を集めました。

最初は朝日新聞が大きく取り上げたのがきっかけだったようです。

朝日新聞:『人生100年時代の蓄えは?年代別心構え、国が指針案

これを見て、多くの人が年金が減らされると思いネット上では多くの不平不満が爆発していました。

安倍首相が数年前に『年金額が減るようなことはありえません』と言っていたようで、それを引用して自民党や安倍政権を叩いている人も多かったですね。

ネットニュースでは、『 人生100年時代の蓄え、年金だけじゃ月5万円不足するから『自助』してと金融庁がブン投げ』という煽り記事まで書かれていました。

日本人って年金というキーワードでネガティブなことを言うと大炎上しますよね。

けど、みんな年金制度が現状のまま継続出来ないことは判っているハズなのに大炎上するのはなんとも不思議な国民性です。

※金融庁の資料では少子高齢化で年金制度の維持は厳しいとは書かれていましたが、具体的に将来年金制度がどうなるか?については書かれていません。

そもそも金融庁は年金制度には関係していません。年金制度は日本年金機構が運用しています。

Buzzap『人生100年時代の蓄え、年金だけじゃ月5万円不足するから『自助』してと金融庁がブン投げ

ただ私が書いた金融庁を応援するツイートも多く拡散されたのを見ると、マスコミの煽りに乗らない冷静な人も多いので安心しました。

日本の現状について再確認するためのデータ

金融庁が公開した文書『金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第23回)議事次第』の中に添付されていた資料1『事務局説明資料(「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案))』が元の文章です。

まずは、「高齢社会における資産形成・管理」で書かれていた日本の現状についてデータをピックアップしてみます。

少子高齢化問題について現状を確認する

現在の60歳の人達は1/4が95歳まで生きるという試算があるそうです。

1995年ってかなり最近ですが、2015年とたったの20年でこんなに高齢者が増えていることに驚きです。

右のグラフを見ても驚きです。

1950年頃の平均寿命は60歳だったのが、2017年では85歳まで伸びていました。

金融庁_高齢社会の資産形成_高齢化01

そして、次は健康寿命についてのグラフです。

寿命が伸びているだけでなく、健康寿命も伸びています。

金融庁_高齢社会の資産形成_高齢化02

最後は、日本の人口ピラミッドの時代毎の違いがありました。

たったの100年でまったく人口構成は違っていますよね。

移民を受け入れないと日本の未来はないでしょうね。

金融庁_高齢社会の資産形成_高齢化03

つまり少子高齢化が進んでいることをデータから確認しています。

出典:金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第23回)議事次第

収入・支出の状況について

まずは、各年代別で収入・支出が1995年以降から下がり続けている統計データが紹介されています。

このようにバブルが崩壊してから大きく下がっています。

※最近の収入は全体的に上がってきているというデータもあります。

金融庁_高齢社会の資産形成_年齢別収支推移01

次が高齢夫婦で無職世帯の平均的な家計収支が発表されていました。

ここで発表された5万円の不足が物議を呼びましたね。。。

ただ冷静に考えると現在の65歳の男性は退職金も多くもらっています。

なのでお金持ちな65歳が多いので平均支出が多くなる傾向は納得できます。

金融庁_高齢社会の資産形成_高齢夫婦の収支

退職金の現状について

退職金制度は過去のものになりつつあり、金額自体も減っています。

会社の人数規模と退職金制度が比例していますね。

やっぱり、退職金の面では大企業の方が有利のようです。

金融庁_高齢社会の資産形成_退職金制度01

定年退職者の金額推移です。

年々落ち込んでいるのがよくわかります。

2017年の平均は1,700万円~2,000万円程度まで落ち込んでいます。

ピークから比べて3~4割まで減少していました。

金融庁_高齢社会の資産形成_退職金制度02

年代別・金融資産の保有状況について

年代別での貯蓄額と負債額の推移がこちらです。

負債は持ち家でローンを組むことが最大な負債でしょうね。

そのピークは30代で、その後の負債は年々下がっていました。

金融庁_高齢社会の資産形成_貯蓄と負債01

次は65歳から69歳の金融資産の平均です。

男女の差がないことは意外でしたが、夫婦と独身の資産額の差も意外と少ないですね。

ほとんどの人達の老後の資産は2000万円前後でした。

これは、老後のお金が平均的な2人世帯の無職老夫婦の場合5万円足りないという結果がありました。

65歳から30年間毎月5万円の不足を補うには1,800万円が必要となります。

その金額は多くの人が確保出来ている金融資産額ともいえます。

金融庁_高齢社会の資産形成_65から69歳の金融資産

老後資産に関する意識調査

次は世代別で老後に関する意識調査をみてみましょう。

20代の若い世代では、3割程度しか老後について考えていませんが30代移行は半数以上の人が老後について考え始めていることがわかります。

金融庁_高齢社会の資産形成_老後資産01

次は、老後の不安は全世代でお金について不安を抱いているという結果と、世代別の老後の蓄えとして現実と理想についてのアンケートです。

実際に年齢を重ねるごとに老後に必要なお金が増えていっているのが興味深いですね。

金融庁_高齢社会の資産形成_老後資産02

そして最後は日本FP協会のアンケート調査で、世代別で資産を少しでも先延ばしにする方法について聞いた結果です。

約3割の人が『若いうちから少しずつ資産形成に取り組む』と答えています。

金融庁_高齢社会の資産形成_老後資産03

ただ、資産形成の重要性は理解していても実際に行動に移せている世帯は少ないようです。

その理由はとしては「まとまった資金がない」、「投資に関する知識がない」、「どのよ
うに有価証券を購入したらよいのかわからない」という人が多いようです。

最終的に金融庁が言いたかったこと

これまでは日本の現状確認をしていました。

  1. 少子高齢化社会は確実に来るという事実
  2. 日本人の収入と支出が減り続けているという事実
  3. 日本人のサラリーマンの退職金が減り続けているという事実
  4. 現在の65歳の人達もギリギリの資産形成になっている
  5. 世代別での老後資産に関するアンケートでお金に関する不安が1番

 

これらの事実から、現役世代の人達は将来の自分の老後資産について真剣に考えないと老後破産になりますよ。

という、すごく当たり前なことを丁寧に警告をしてくれている良い報告書でした。

そして、その解決策の1つとして以下の資産運用を提示しています。

長寿命になった日本人が、資産寿命を延ばすことの必要性について

現在の現役世代よりも恵まれているはずのシルバー世代ですら老後資産は厳しくなりつつあります。

そこで『長期・積立・分散投資』の有効性について提案がされていました。

長期・積立・分散投資による効果は、積立が長期であればあるほど、投資先を分散すればするほど、収益がバラつきにくくなる特徴がある。

1985 年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券に積立・分散投資したと仮定し、各年の買い付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとにして運用結果を算出すると、保有期間が5年ではマイナスリターンも発生するが、保有期間が20 年になるとプラスリターンに収斂し、さらにそのバラつきも小さくなる。

世界に分散投資することで、さらに安定した収益となる可能性が高くなる事実もあります。

40年間という期間でみると、日経平均よりもNYダウと組み合わせること大きなリターンとなることが以下のチャートからわかります。

じゃー米国株のインデックス投資が1番じゃない?って考えて多くの人が米国株へインデックス投資していますが、この資料を作成したのは日本政府の金融庁なので日本株を外すわけにはいきません。というか、よく米国株について触れていると感心します。

金融庁_高齢社会の資産形成_長期積立分散投資01

iDeCo、つみたてNISAで長期・積立・分散投資をはじめよう!!

そして、金融庁が推進している『iDeCo』や『つみたてNISA』の紹介になります。

さらに現状の制度を拡充させることについても言及されていました。

多くの利用者が望んでいるつみたてNISAの20年という上限撤廃など。

金融庁_高齢社会の資産形成_イデコとつみたてNISA

ライフイベントに応じて引出すことが可能な『つみたてNISA』と年金制度として所得控除が認められている『iDeCo』は、両者を併用することで、住宅購入などの計画的に準備が必要な支出や、病気、事故、失業などの予想外の支出への備えをしつつ、老後に向けた資産形成が可能となるものである。よって、お互いが補完しあう関係として活用が進むことが望ましい。

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金融リテラシーを向上させよう!

これも多くの人が言っていることですが、学校や職場での金融リテラシーが向上できるようなセミナーなどで教育していく必要性が書かれていました。

金融リテラシーを向上させることで、ありえない詐欺に引っ掛かる人も減ると思うので私も早い段階で金融教育をするのは大賛成です。

アドバイザーの充実

金融商品がフィンテックなどの影響もありサービスも多様化しています。

利用する側としては多くの選択肢があるのは嬉しいことですが、それで困惑する人も多く出ているので、そういう人達へアドバイスできる人が重要となってきます。

高齢者の保護

これは最近でも退職金を狙った銀行などが提供する手数料が高額な投資商品が問題となりました。

また、全体的な高齢化により認知症を持つ人口も増えてきます。

なので、高齢者を多様化する金融詐欺からの保護は必要不可欠になります。

これは将来間違いなく社会問題になるでしょう。

まとめ

このように『金融審議会市場ワーキング・グループ』が伝えたかったことは

  • 将来高齢化社会を迎える日本の金融サービスのありかた

 

について現状を踏まえた大切な提言をした資料でした。

そして、この文書の冒頭で以下のように書かれていました。

本報告書の公表をきっかけに金融サービスの利用者である個々人及び金融サービス提供者をはじめ幅広い関係者の意識が高まり、令和の時代における具体的な行動につながっていくことを期待する。

『多くの国民の意識が高まり、具体的な行動につなげる。』

少しでもこの報告書をきちんと読んで、将来の自分の老後資産について考える人が増えることを私も願っています。

参考文献:人生100年時代の年金戦略

【出典】
金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第23回)議事次第
家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)
日本FP協会

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