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半導体の開発をしていれば知らない人はいない会社がシノプシス社とケイデンス・デザイン・システムズ社の2社です。
半導体を開発するツール(ソフトウェア)を提供している有名な会社です。
シノプシス(SNPS)vsケイデンス(CDNS)の将来性について
シノプシス社とケイデンス・デザイン・システムズ社の将来性は簡単です。
もしあなたが半導体がこの先も増加し続けると思えば、この2社の将来性は明るいです。
この2社は、今後も半導体が増えれば増えるほど、売上は右肩上がりとなる会社です。
しかし、その昔にあった真空管から半導体へのパラダイムシフトが起きたように、半導体以外の何かが出来て他の設計手法に置き換われば、一気に雲行きは怪しくなります。
間違いなく株価は大暴落して、この2社も生き残れるかは微妙になります。
ただ現状は半導体を脅かすような技術はないので心配無用だというのが私の考えです。
それに半導体が縮小するということは科学の進歩が止まると等しいと私は考えているので、シリコンサイクルを乗り越えながら、半導体は増え続けると考えます。
半導体の開発フローについて
シノプシス社とケイデンス・デザイン・システムズ社の業務内容について説明する為には半導体の開発プロセス(手順)を説明する必要があります。
まずは半導体の開発プロセス(手順)が簡単に書かれている図がこれです。
これを簡単に説明するスキルがないので、まぁかなり複雑な開発ステップが踏まれます。ということしか書けません・・・
例えば私がやっている業務では1つの半導体チップ(黒くて四角いチップ)を作成するのに30人~50人くらいが関係しています。それで開発サンプル品を作るまでに1年くらいの時間が必要になります。さらにサンプル品のテストをして商品化するまでにさらに1年くらいの時間が必要になります。
それだけ大人数で長い期間を掛けて開発をしています。
それで使われる開発ツールがこれだけあります。四角い枠で書かれた部分でEDAツールが使われています。(RTLシミュレーションとか)
ここでツールとして使われているのがシノプシス社とケイデンス・デザイン・システムズ社の2社です。
やっとここまで辿り着きました。書きながら判りやすい言葉を使っているつもりですが。。。マニアックすぎると今更ながら感じています。
けど、もう少しマニアックな話をします。
上記の開発プロセスでは、さらに上流工程(フロントエンド)と下流工程(バックエンド)の2つに分けられます。
そのフロントエンドで使われているEDAツールはケイデンス・デザイン・システムズ社が強くて、バックエンドで使われているEDAツールはシノプシス社です。
また検証IPはケイデンス・デザイン・システムズ社が強くて、設計IPはシノプシス社が強いという特色もあります。
つまり、競合する2社は得意分野と不得意分野があるもののお互いが切磋琢磨して長年の半導体業界を陰で支えてきたという実績があります。
ラットイヤーとも言われる半導体業界で20年以上TOPに君臨し続けた2社の実力は間違いないでしょう。
シノプシス社 2019年度 Q1決算
まずはシノプシス社が提供しているテクノロジーがこれになります。
一番べーずとなるのは当然EDAツールになります。シノプシス社はマーケットシェアNo1と書かれています。
次に大きな割合となっているのがIP事業です。これはマーケットシェアNo2と書かれています。
そして、最上部にあるのがソフトウェアツールになっていますが、あまりソフトツールとしては有名ではないと思います。
そしてシノプシス社の技術が適応可能な分野です。
ここでは今後伸びる業界が羅列されている感じですね。
自動運転、モバイル、IoT、データセンター、スマートホーム、AIが書かれていました。
どれも多くの半導体チップが必要不可欠な分野ですね。
そして、特にAI技術は2022年まで急激に市場は上がり続けますよ~ってグラフです。
シノプシス社 売上推移
シノプシス社 1992年からの長期チャート
ケイデンス・デザイン・システムズ社 2018年度 Q4決算
まずはケイデンス・デザイン・システムズ社が提供しているテクノロジーがこれになります。
半導体チップに関する業務が一番下に書かれています。設計、合成、検証IP、ドライバソフトに関する業務がメインのようです。
真ん中に書かれているのがPCBデザインです。半導体チップが搭載されている緑色の基板のことです。
一番上に書かれているのが、HW/SW協調設計に関する業務っぽいです。あとはソフトアプリとかも書かれています。
決算書に書かれていた分野と国の売上構成です。
ケイデンス・デザイン・システムズ社 売上推移
ケイデンス・デザイン・システムズ社 1998年からの長期チャート
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