雑記

30代40代の貯金ゼロ世帯が23%で貯金額100万円以下が60%のアンケート結果は信用できる?


SMBCコンシューマーファイナンスの調査で『30代と40代のお金に関する意識調査』について発表されていました。

そのアンケート結果は”貯金ゼロ世帯が23%で貯金額100万円以下が60%”というインパクトのある結果なので、ネットニュースは一気に拡散していました。

しかもその日のTVニュースでも取り上げられていて、格差社会による貧困層の拡大などの話題を絡めてコメンテーターが話していました。

しかし、私にとっては30代と40代が100万円以下の貯金しかない割合が6割というのは信じられない結果に感じました。

そこで、この調査が本当なのか?について自分なりに調べることにしました。

※比較対象としては『金融広報中央委員会(日本銀行)』が発表している『家計の金融行動に関する世論調査』としました。

結論:SMBCが発表した『30代と40代のお金に関する意識調査』は調査対象者が偏りすぎ

まずは結論として、貯金額の分布を比較したグラフを紹介します。

貯金分布調査結果_日本銀行とSMBCで比較
資産額 日本銀行調査 SMBC調査
100万円以下 15.6% 60.5%
100万円~200万円 10.1% 7.7%
200万円~300万円 7.3% 4.9%
300万円~400万円 6.8% 1.8%
400万円~500万円 6.3% 7.3%
500万円~1,000万円 19.1% 8.0%
1,000万円以上 22.1% 9.8%

SMBCが調査を依頼した会社「ネットエイジアリサーチ」は自社登録の会員に質問をして有効回答1000人で調査を終えています。

そもそもアンケートに答えてもらえるわずかな報酬目当てに回答した人達が母集団となっています。

この母集団であれば、『貯金ゼロ世帯が23%で貯金額100万円以下が60%』になるのは納得出来ます。

一方で金融広報中央委員会(日本銀行)が実施した調査は全国1万世帯で単身世帯と2人以上世帯で分けて調査していました。

また全国の人口分布も考慮して調査しているので、かなりの精度で調査していることがわかります。調査手段として訪問調査まで実施していました。

調査元 貯金額100万円以下の割合 貯金額500万円以上の割合
SMBC 60% 17.8%
日本銀行 15.6% 41.2%

日本銀行とSMBCが実施した調査方法の違い

調査内容 SMBC 日本銀行(単身世帯) 日本銀行(2人以上世帯)
調査期間 2019年(平成31)1月7日〜9日の3日間 2018年(平成30)年6月22日(金)〜7月4日(水)の12日間 2018年(平成30)年6月15日(金)〜7月24日(火)の40日間
調査対象 30歳〜49歳の男女 世帯主が20歳以上でかつ世帯員が2名以上の世帯 世帯主が20歳以上でかつ世帯員が2名以上の世帯
調査方法 インターネットリサーチ インターネットモニター調査 訪問と郵送の複合・選択式
調査人数 1,000名 全国2,500世帯 全国8,000世帯
調査委託先 ネットエイジアリサーチ インテージホールディングス 日本リサーチセンター(NRC)

調査数と統計について:TVの視聴率はどーなってる?

TV視聴率調査方法
そもそも1,000人で全国の30代、40代の平均値といえるか?

この辺は、TVの視聴率をどーやって統計を取っているのか?を調べれば参考になります。

TVの視聴率統計では全国の人口分布に従って全国6,900世帯から視聴率を計測していました。

なので、SMBCは調査したサンプリング数も足りなければ、地域について考慮されていないのでSMBCの調査結果は全国平均とは言えません。

SMBCコンシューマーファイナンス:貯金額の調査結果について

SMBCコンシューマーファイナンスが発表している元データ(左)と金融広報中央委員会(日本銀行)の調査結果と比較するために分布を変えたデータ(右)です。

SMBC_30代40代貯金分布_まとめ

SMBCの調査結果は貯金が少ない人が極端に多いデータだったので、元グラフでは貯金が0円と50万円以下と50万~100万円と細分化されていましたが、金融広報中央委員会(日本銀行)の調査結果と比較するために100万円以下にまとめています。

ちなみに、SMBCコンシューマーファイナンスの調査結果では30代、40代の貯金額の平均は195万円という結果になっていました。

金融広報中央委員会(日本銀行):金融資産の調査結果について

まず、金融広報中央委員会(日本銀行)が発表している金融資産データについては細分化されて発表されています。

・世帯構成:単身世帯と2人以上世帯

・年代構成:20代、30代、40代、50代、60代

そこで、まずは「2人以上世帯の30代」「2人以上世帯の40代」「単身世帯の30代」「単身世帯の40代」とで、データを揃える必要がありました。その後4つの平均を取ることでSMBCと比較可能なデータに成形します。

金融広報中央委員会(日本銀行)が発表している元データ(左)とSMBCコンシューマーファイナンスの調査結果と比較するために分布を変えたデータ(右)です。

日銀_家計の金融行動に関する世論調査_2人世帯30代_まとめ
日銀_家計の金融行動に関する世論調査_2人世帯40代_まとめ
日銀_家計の金融行動に関する世論調査_単身30代_まとめ
日銀_家計の金融行動に関する世論調査_単身40代_まとめ
金融広報中央委員会(日本銀行)の資産データは1,000万円以上のデータが細分化されていました。

こうして2つのデータを見ると資産分布が逆になっていたことがわかります。

ちなみに、金融広報中央委員会(日本銀行)の調査結果では30代、40代の平均値が939.5万円、中央値:512.5万円でした。

SMBCの平均貯金が195万円だったので全然違った数値になっていました。

資産額 単身世帯 2人世帯
30代、40代の平均値 855万円 1,024万円
30代の平均値 533万円 810万円
40代の平均値 1,177万円 1,238万円
30代、40代の中央値 375万円 650万円
30代の中央値 250万円 500万円
40代の中央値 500万円 800万円

参考にしたデータ

※この記事で紹介したグラフは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(平成30年)とSMBCコンシューマーファイナンス株式会社「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」をもとに作成しています。

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