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私が社会人になった頃にあった唯一の税制メリットがある商品が財形貯蓄でした。
現在でもまだ財形貯蓄は制度が残っていますが、今にはさらにこの3つがあります。
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 企業型確定拠出年金
- つみたてNISA
現在は財形貯蓄よりも上記の3つの制度を可能な限り利用した方が良いと思いますが、まずは財形貯蓄制度について説明したいと思います。
財形貯蓄制度とは?
そもそも財形貯蓄制度って何だろう?って思い調べてみたら、かなり古い制度でした。
経済成長で労働者が急増した昭和30年後半頃は、現在よりも貯金や持ち家を保有している世帯がとても少なかったそうです。
そこで、1971年に国が国民の資産形成を援助するための制度として出来ました。
つまりは、高度経済成長期に出来た過去の制度とも言えます。
財形貯蓄制度の種類は?
一般財形貯蓄
税制優遇はないので通常の定期預金と同じく金利は課税対象です。
積立を開始して1年間は払い戻しは出来ません。
1年以上経過していれば払い戻しはいつでも可能です。
財形住宅貯蓄
使用目的が住宅購入だったり、リフォームをすることに限られた財形貯蓄です。
加入条件としては、55歳未満で5年以上積立を継続する必要があります。
財形年金貯蓄
60歳以降の定年退職後に受給することを目的とした財形貯蓄です。
加入条件としては、55歳未満で5年以上積立を継続する必要があります。
財形制度のメリット
金利が非課税
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を合わせて550万円までの利子に税金がかかりません。
ただし、保険型で財形年金貯蓄を運用している場合には385万円までの利子と上限が変わってきます。
給料天引き
会社が提供する福利厚生の一環という位置づけなので、会社が支払う給与から直接引かれるので確実にお金を貯めることが可能です。
財形制度のデメリット
選べる商品が少ない
私の会社では、信託銀行型、普通銀行型、生命保険型(財形年金貯蓄のみ)くらいしかありません。
※興味がある人は1度会社の制度を確認してみて下さい。
金利が低い
0.01%程度です。財形年金貯蓄で生命保険型を選択すれば1%前後ありますが、それくらいです。
※興味がある人は1度会社の制度を確認してみて下さい。
転職したときに強制解約になるケースがある
会社が提供している商品なので、会社が変わると手続きが発生します。
もし、転職先が財形制度がない場合や無職期間が2年以上続く場合(※)には解約扱いとなります。
この場合は、目的以外の解約となるので金利は課税対象となってしまいます。
※元の金融機関に保管出来るのが2年以内と決まっているため
財形貯蓄制度の現状について
財形貯蓄制度をめぐる状況について
昭和63年に一般財形貯蓄がガクンと下がっているのは、同じ年に住宅財形貯蓄がスタートしたことが原因です。
しかし、全体的には財形貯蓄制度の利用は年々下降しているのがわかります。
財形貯蓄制度を導入する企業は?
そもそもですが、導入している企業も減り続けていました。
時代とともに変化しなかった財形貯蓄制度は消えつつあるみたいです。
ただ大企業は制度が残っていて、利用している人達も減ってはいますが30%はキープしているようです。
引用元資料:財形制度に係る平成26 年度の業務実績等(PDF:1010KB)
財形貯蓄制度はもう時代遅れ?
そもそも財形貯蓄制度ができた目的が貯金している世帯と持ち家の世帯を増やすことが目的でした。
貯蓄している世帯は十分に増えていて、逆に投資に目を向けさせようと確定拠出年金だったり、NISAだったりと新たな制度を作るまでになっています。
持ち家の世帯は国としては増やしたいのかもしれませんが、昔ほどの持ち家神話はなくなっています。
そう考えると財形貯蓄制度は、すでに時代遅れと言われてもしかたない制度になっています。
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