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ソフトバンクは史上最高額のIPOで話題となり、IPO直前の通信障害でも話題となり、IPO直後は公募価格割れで話題となり、決算発表が悪くもないけど株価が下がり続けていることでも話題となって、とくにかく年末年始とソフトバンクの話題が多かったという印象です。
Yahooファイナンスでもソフトバンク銘柄の検索ランキング上位が続いているので、ソフトバンク銘柄保有者だけでなく、多くの人が興味を持っている銘柄だと思います。
そこで、今回はソフトバンク銘柄についてIPO前~上場後の初決算発表までに何が起こったか?についてまとめ記事を書きました。最後にソフトバンク銘柄について購入するか?様子見か?買わない方が良いか?について考えてみました。
ソフトバンク(9434)のIPO前
IPOスケジュール表
仮条件決定日 | 2018年11月30日 |
ブックビルディングの期間 | 2018年12月03日 ~ 2018年12月07日 |
公募価格決定日(当選発表日) | 2018年12月10日(1,500円に決定) |
購入期間 | 2018年12月11日 ~ 2018年12月14日 |
上場日 | 2018年12月19日 |
ソフトバンクで大規模通信障害が起きたのが12月06日でした。原因はソフトバンクではなく通信設備で使われているエリクソン製交換機のソフトウェアでした。セキュリティで必要となる証明書に設定していた有効期限を人為的なミスで有効期限切れが発生したことでした。
この大規模な通信障害は当日のトップニュースとなり総務省からも怒られるというIPO期間中だったこともあり、大きなネガティブニュースとなりました。
また、同じタイミングでアメリカ政府が華為技術(ファーウェイ)の内部LSIから不審な通信があることを見つけたと言って米中貿易摩擦の引き金となる大きなニュースが入って来たのも同じ時期でした。
華為技術(ファーウェイ)製品を5G対応の中心に考えていたソフトバンクは、この対応にも追われていました。最終的には中国製品は全て辞めてヨーロッパ製に切り替える方針を発表するまでの事態となった。
「華為技術(ファーウェイ)など中国製の基地局をなくす方針を固めた。北欧の通信機器大手エリクソンとノキアの製品に順次置き換える。次世代通信「5G」でも中国製を排除し、北欧2社に発注する。」
ソフトバンクのIPO抽選発表
Twitter上では当選祭りとなりました。それもそのはずで「市場の一部では、ブックビルディング期間中に集まった応募は売り出し株数の1.1倍前後になったとの観測も」と言われていました。
しかも、ソフトバンクはCMでIPOしたことをTVで流すとか証券会社の入社3年目の若手営業員は「新規開拓も含め1日300件はSB株で営業の電話をしなくてはならず大変だった」と証券会社の営業攻勢も凄かったようだ。
そこまで頑張っても売り出し株数の1.1倍前後というが、いかに大きな株式公開だったかを物語っています。
市場からの資金吸収規模で1987年のNTT(9432)を超え、過去最大となるソフトバンク株の新規株式公開(IPO)でした。
ソフトバンク(9434)のIPO後
上場日(12/19)ソフトバンクの1日チャート
ソフトバンクが公募割れに終わったのは有名なのでご存知の結果ですね。
特別売り気配から値が付いた1,463円から後は一瞬反発して1,464円まで行きました。その後は戻しきれずにジワジワと下落。
後場に入って前場に付けた安値を割り込むと、その後はジリ貧状態となり1,282円が終値となりました。
その次の日も株価は下げて底が見えない状況になるかと思いましたが年末には一旦株価が回復して公募割れから脱出するか?というレベルまで上がりましたが、年明け後は株価が立ち直ることなく、現在はさなる安値を探っている状況です。
ソフトバンク12/19~02/08までの株価チャート
2/5がソフトバンクの上場後初の決算発表でしたが、その後も株価は下げ続けています。
ソフトバンク(9434)の決算発表
ソフトバンクCEO宮内氏が2月5日に2019年3月期第3四半期の決算を発表しました。
売上高は前年同期比4.9%増の2兆777億円、営業利益は18.5%増の6349億円と、増収増益を記録しています。
2018年度予測は順調に推移していることを示していました。
また、総務省からは通信キャリアに4割程度の値下げが出来ると言われていますが、ソフトバンクは一時期人員を4割削減して達成すると孫さんが話していた時期もありましたが、今回のソフトバンク決算発表会では、4割値下げについては追従しない姿勢を3大キャリアの中では初めて明確に宣言していました。
その背景として、既に格安携帯ブランドYモバイル、LINEモバイルのブランドがあるのでそのマルチブランドで対応するという考えでした。
また、株主に対して高い配当性は今後も維持するよう努力することを宣言していました。
ただし、これはソフトバンクが増収増益を継続出来たらの話なので要注意です。
通信障害による損失をエリクソンとどう折り合いを付けるか?が不明確ですし、5Gへの移行がスムーズに出来るか懸念もあります。不安材料は多くあるので減配リスクは十分に高いと私は考えます。
この増収増益となる戦略は、スマホの可能性を信じての発言です。ソフトバンクとしては今後多くの便利なアプリをソフトバンクグループとして展開することでスマホの利用シーンを増やして行く姿勢を出しています。
ソフトバンク(9434)の決算発表後
決算発表では順調な売上高と営業利益を出していることを報告出来たのですが、市場の反応は冷たいものでした。
さらに株価を押し下げる結果となっています。
ソフトバンク決算発表後2/04~2/08までの週間チャート
2月5日の取引後にソフトバンク決算が発生されているので、6日から綺麗に右肩下がりになっている週間チャートとなっています。
決算が悪くないのにも関わらず下げている理由としては、
・通信障害で発生した損失をエリクソンとどう費用負担するかが明確でない
・楽天参入、NTTドコモ、KDDI(au)の値下げでソフトバンクユーザー離れの懸念
・通信設備のファーウェイからの切り替えに掛かる費用
・親会社のソフトバンクグループの自社株買い発表(ソフトバンク株を多くの個人投資家に買わせたお金で自社株買いなのでホルダーにとっては面白くないニュースです)
ソフトバンク株価の適正価格は?
株価の適正価格なんてないと個人的には思いますが、ネット上ではいろいろとソフトバンク株の適正価格について書かれています。どれも3桁となっているのが興味深いですね。
・ソフトバンク株の適正価格は623円説
IPOよりも前に公表された資料によると、ソフトバンクは2018年4月に新株式を特定の投資家に発行しています、その時の発行価格が「623円」というのです。それからまだ1年と経っていないのに1,500円の上場価格の設定は高すぎにも感じます。
・ソフトバンク株の適正価格は895円~1,196円説
KDDIの予想PERが10.21(2/08時点)倍という数字からソフトバンクも同等の予想PERとするならば株価は895円となります。
NTTドコモの予想PERが13.64倍(2/08時点)という数字からソフトバンクも同等の予想PERとするならば株価は1,196円となります。
ちなみに、ソフトバンクの現状の予想PERは14.48倍(2/08時点)で1株当たりの利益予想(2019年3月)は87.7円になっているので、そこから計算しています。
そして、業種PERとしては情報・通信業種(448社)は14.3倍が平均PERとなっていました。
ソフトバンク株は買い?様子見?
ここまであまりポジティブなことは書いていませんね。
なので、当然様子見です。
今回、この記事を書くために様々なネット上の記事を読んだのですが、怖いのが専門家、アナリストなどの有識者のほとんどがソフトバンク株の買いを勧めていたんですよ。
また、不安材料を書いていてソフトバンク株のホルダーではありませんが不安になりましたね。
もし、高配当銘柄としてソフトバンク株の購入を検討しているのであればまだJT(日本たばこ産業)の方が良いと思います。それでも一気に株を購入するのは危険なので購入タイミングは分散した方が良いと思うレベルです。そして私も購入タイミングは迷い中です。
携帯3大キャリア3社の平成30年4月~12月期連結決算
売上高(前年比) | 営業利益(前年比) | 最終利益(前年比) | |
KDDI(au) | 3兆7716億(0.3%) | 8824億(1.1%) | 5057億(3.1%) |
NTTドコモ | 3兆6541億(1.8%) | 9020億(5.4%) | 6075億(-12.9%) |
ソフトバンク | 2兆7766億(4.9%) | 6349億(18.5%) | 3958億(18.7%) |
2018年度の伸び率はソフトバンクがダントツでしたが、2019年も継続出来るか?がソフトバンク株の全てを握っています。
【参考:サイト】
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