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2018年10月29日に富士通が5000人規模の配置転換を発表した。
配置転換の対象が人事、総務、経理などの間接部門人員で、その配置先がIT(情報技術)サービス事業になるというニュースでした。
当然長年キャリアを積んできた業務を捨てて全く異なる業種の仕事をするのは年齢が高いほど厳しいのは間違いありません。
そこも見越して富士通は同時に早期退職プランも準備していました。
なので、ネット上ではリストラでしょ。って感じに捉えられていました。
富士通では2850人が早期退職に応募した
そして、今日はその早期退職制度に2850人が応募したというニュースがありました。
富士通は自らの手を汚すことなく、見事に3千人のリストラを従業員自ら自主的にさせたことになります。
私も会社員なので、なんとも言えない気分の悪いニュースです。
間接部門の高齢者をターゲットにしたリストラとしか言えません。
そして、2千人は間接部門から畑違いの技術職を受け入れたことになります。その人達は今後は富士通が準備した研修を受けてから配置転換がされるとのことです。
しかし、その2千人のうち何人が今後の仕事に耐えられるか?
おそらく柔軟性のない人達はどんどん退職していくと思います。適応能力って年齢とともに本当に落ちていくんですよね。。。
私はこの人たちが頑張り過ぎないで無理だと思ったら早期に転職活動をすることをお勧めします。
もし無理して仕事を続けてると、気が付いたらうつ病になっていて次の転職が出来ない状況になり、より事態は悪くなると思います。
これまで富士通は無能な60人もの役員にお金を払い続けた結果、この陰湿なリストラ策を取る富士通は今後復活する可能性は低いとしか思えません。
こういう人を大切にしない会社の株は絶対に買いたくないですね。
富士通 早期退職で発生する割増し退職金はいくら?
2019年3月期に特別損失として、461億円を計上しています。
そこから早期退職に応募した人数を割ることで割増し退職金の平均が計算出来ます。
461億円 ÷ 2,850人 = 1,600万円
平均が1,600万円でした。
NEC・東芝・ニコン・シャープ・電通・ルネサス・日立化成・リコーの割増退職金を比較
発表日 | 会社名 | 応募人数 | 特別損失 | 平均割増退職金 |
2019/02/19 | 富士通 | 2,850人 | 461億円 | 約1,617万円 |
2018/11/29 | NEC | 2,170人 | 200億円 | 約921万円 |
2017/02/13 | ニコン | 1,143人 | 167億円 | 約1,461万円 |
2016/04/15 | 東芝 | 3,449人 | 420億円 | 約1,218万円 |
2015/08/21 | シャープ | 3,234人 | 243億円 | 約751万円 |
2015/02/12 | 電通 | 104人 | 37.5億円 | 約3,606万円 |
2014/12/24 | ルネサス | 1,725人 | 79億円 | 約457万円 |
2014/12/15 | 日立化成 | 1,248人 | 130億円 | 約1,042万円 |
2012/11/20 | シャープ | 2,960人 | 253億円 | 約855万円 |
2012/01/31 | リコー | 2,340人 | 247億円 | 約1,055万円 |
こうして過去のリストラ時の割増し退職金を見てみると富士通の1,600万円は決して悪い値段じゃありませんでした。
それよりもビビったのが電通です。待遇は異常ですよね。
こんだけくれれば私も辞めたいですよ。笑
あと、赤字に苦しんだシャープとルネサスは会社にお金がないので割増し退職金の中では少ないですよね。
まぁー世間的には割増し退職金がもらえるだけマシなんですけど・・・
リコーの配置転換リストラと富士通の配置転換リストラの違い
富士通が間接部門の社員5000人を対象にして、新規事業領域でもあるITサービス事業のSE部門などの技術系に配置転換すると聞いた時には、リストラだと直ぐわかりました。
2011年に複写機メーカーのリコーも子会社の物流部門へ配置転換するリストラを決行していたので同じ方法かと思いました。
リコーのリストラのケースでは出向を命じられた社員が裁判を起こして、原告の全面勝訴判決を勝ち取っています。
当然、富士通側はこのリコーで起きたリストラからの裁判で全面敗訴したリコーのケースは学習しているようで、アプローチが全然違いました。
リコーの場合 | 富士通の場合 | |
リストラ候補者の選別 | 不透明で技術部門や間接部門など統一性がなかった | 間接部門で統一されている |
最初のアプローチ | ①リストラを通達 ②断った人達を配置転換 | ①配置転換を通達 ②断った人達をリストラ |
移動先の業務 | 子会社の物流会社で肉体労働 | 新規事業で技術系業務 |
このようにリコーのリストラは不透明な選抜方法で対象者が選ばれて、退職を個別に面談で迫りました。それに応じなかった人達を子会社の肉体労働に従事させました。
一方、富士通のリストラは間接部門の人員余剰により新規事業部門へ人員シフトすることをマスコミに向けて一斉に通達しました。その人事異動に同意できない人達にはリストラを自主的に選択させました。
こうして書くとリコーのリストラの異常性が良くわかります。
ただ、富士通がやったのも畑違いの業務へ移動さることでキャリアを全て否定させてから退社を選ばせる手段の根本は同じ手法だと思います。
あくまで裁判を起こされても、会社が敗訴しないように考えた大企業の新たなリストラ策となりそうです。
富士通 2000年以降の株価推移
株価は既に2000年の頃と比べて1/5も落ちていますね。
追記:2019/03/19 富士通が4月1日から組織改編と人事について
日経TECHが富士通の社内人事と組織改編についてスクープ記事を出しています。
それによると組織変更に関する情報が3件と人事に関する情報が1件でした。
その人事に関する情報がヤバいです。
2019年1月末に締め切った間接部門従業員の割り増し給付金付き早期退職を含めた今後のジョブ選択を45歳以上の富士通グループ全従業員に拡大する
この情報を見るだけで今後もリストラは継続されるという表明と受け取れます。
私の予想としては、次のターゲットはSEなどの技術職がターゲットになるのでは?と考えます。
その為の組織変更とも考えられますね。
私は富士通には関係ない会社ですが、この流れが他の大企業に飛び火する事態を懸念しています。
おそらく、今回の富士通のリストラは他の大企業の経営陣も注目しているのは間違いなく、最悪は自社に真似して、ドミノ倒しでリストラの嵐が来る事態が最大の懸念です。
富士通リストラニュースの参考
リストラ参考文献:労働者側+使用者側 Q&A新リストラと労働法
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