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就活の一環でOB訪問に来た女子大学生に不適切な行為をしたとして、警視庁三田署は大手ゼネコン・大林組の社員を逮捕したというニュースを読みました。
この社員は採用には全く関係ないにも関わらず学生はOBと出会えるスマホアプリ(就活生と社会人をつなぐアプリ「VISITS OB」)があるらしく、そこで出会った女子大生に対して家に連れ込んで・・・って手口でした。
そもそも採用する権限のないOBから話を聞いても意味ないですよね。特に大企業なら配属される部署によっても雰囲気が全然違います。また3年~5年で上司が変わるので、状況は変わり続けます。
大企業のリクルーター制度の問題
そもそもリクルーター制度って何?
人事が一括して採用活動すべてをやるのが普通でしたが、現場からのクレームが多かったからか最初の選考を現場にさせる感じですね。
各部門の若手(20代後半~30代前半)が卒業した大学に行って自社に入社を希望している後輩と話をして、リクルーターは自部門に入社して欲しい人を選別して人事に連絡します。
現場のメリット | 現場が欲しい技術を持っている人が配属される可能性が高くなる |
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人事側のメリット | 書類選考や1時面接などの手間が省けるし、現場社員が良いと判断した人員を集めることが出来る。 |
リクルーター制度ってどんな会社が実施している?
株式会社ディスコの調査によるとリクルーターとの接触が多い業界はどこか?
全体で銀行が1位になりました。
銀行業界では3人に1人の就活生が、リクルーターと接触しているそうです。
文系に限定すると、1位銀行(39.9%)、2位保険(21.6%)で、金融業界に多いとみられます。
理系だと自動車・輸送機器と運輸・倉庫、素材・化学がともに13.8%で同率1位でした。
ということで大手企業ならどこでも普通にやっていることのようです。
自社は理系のメーカーですが5年くらい前から自社でもリクルーター制度が導入されています。
若手社員が「繁忙期なのにリクルーターが大変」だとよく嘆いていました。
そして、採用行為の一翼を担っていることにも驚いた記憶があります。
すると現場の若手とは言え採用権限の一部を持っている人間と学生が会えば会社の先輩後輩という枠ではなく、「会社に入社したい学生 VS 採用権限の一部を任されている社員」という絶対的な主従関係となることへの危険性ですね。
あからさま問題行為をリクルーターがする可能性は低いですが、モラルの低い変な若手社員がリクルーターを任せられると変な事件が起きても不思議ではありません。
そもそも人事部門が採用行為の責任の一端を現場部門にも分散できるので、人事部門には都合の良い制度かもしれませんが、あまり良い制度だとは思えませんね。
リクルーター制度の必要性(学生の意見)
現役の学生500人へのアンケートを取った結果は7割の人がYESと回答したそうです。
YESとした理由でメリットは3つあったそうです
メリット① | 就活生がリクルーター社員を見て企業判断ができる |
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メリット② | 1次・2次選考をパスできる場合がある |
メリット③ | 現役の社員に直接質問できる機会をもらえる |
メリット②では、早く内定を得られるチャンスというのは理解出来ます。
しかしリクルーターを見て会社を判断したり、直接話を聞けるというメリットはあまり納得出来ませんね。
うちの会社の話になりますが、リクルーターは別に優秀な人が選別されているのではありません。年齢と出身大学と部署だけでリクルーターは選別されています。
なので、変わったヤツとか仕事出来ないヤツって思われている若手もリクルーターとして選ばれているケースも良くありますよ。
また直接話を聞けるとあるけど、リクルーターとして自社に入社したいと思っている後輩に会社の悪いことを言えるわけないですよね。なので、話をしても無難なことしか話せませんよ。笑
よく配属された新入社員に対して、なんでうちの会社選んだの?将来性とかない会社に入る意味あるの?って聞くと、だいたいがこんな回答です。
「xxxの新規事業」とか「xxxという新技術を製品に組み込んで・・」
とか真面目かよ!って回答を返すような真面目な子が最近は多い印象です。
けど、「新規事業なんて、やってるだけで利益でないからいつ撤退してもおかしくない」とか「新技術って言っても、xxx社に丸投げで組み込んでる」とかってオチになるんですけどね。。。
まぁ従来の自社製品だけだと入社希望を増やすには弱すぎるんですよね・・・
そこで、新規事業とか新技術を自社製品に取り組んだりとかいろいろなことを会社はやっているんですよね。
けど、利益を出しているのは派手さのない従来からの製品だったりします。
そして、その現実を知って優秀な若手は他に転職していきます。
最後にリクルーター制度は必要か?
結局は学生の感じているメリットの3つのうち1つしか意味がないと思います。それが「1次・2次選考をパスできる場合がある」という出身大学により不公平な制度が残りました。
そもそも大手企業が優秀な学生の判断として、未だに出身大学の偏差値でしか選別できないというのも残念な話ですよね。
これまでの社長、役員、事業部長などになった人達の人格、性格データをAIに入れて選別するなど新たなことをやる会社がいないのも残念です。
ということで私が考えた結論は
「会社はリクルーター制度なんて辞めればいいのに」
「学生はリクルーター制度に応募するのを辞めればいいのに」
参考記事
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