雑記

【AI・人工知能EXPO】松尾豊氏の特別講演「ディープラーニングの最前線と今後の展望」が面白かった

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国内最大級の人工知能(AI)技術の展示会「AI・人工知能EXPO」が3日~5日の3日間、東京ビッグサイトで開催されていました。

AIの記事や書籍で度々名前が出てくる松尾豊准教授で、ご存知の方も多いと思います。

そんなAIの第一人者の講演会がタダで聞けるとあって数百人規模の会場が満杯になってもう1つ中継会場を作っていたので1,000人以上が松尾豊准教授の特別公演を聞きに来ていたと思います。

その特別講演「ディープラーニングの最前線と今後の展望」が超面白かったので忘れないうちに書きおこしておきます。

ディープラーニングの最前線について

2018年前半に起きた技術的な進化については、ELMo(エルモ)というアルゴリズムが注目されました。

2018年後半にはBERT(バート)が注目されました。文脈を理解し始めたということでかなり衝撃的なニュースだったようです。

この2つの面白い点としては、最初は脳のニューラルネットワークをヒントにアルゴリズムが開発されたのが、最新の技術(アルゴリズム)は違った方向で進化しているという点です。

また、ディープラーニングは多段演算(畳み込み層)で計算する方法も進化しており、これまでよりもメモリが少なくて済むアルゴリズムも登場しており、より省エネなハードを作ることも可能となるそうです。

以上が2018年の1年で起きたトピックでした。

以下は、2点は私が聞いていて思った感想です。

『これは、人間の脳を真似ることで始まったAIなので人間の脳を完全模倣出来たら完了するというゴールはなくなって、無限の可能性を示唆していることだと思いました。』

『そしてAIアルゴリズムは、今後も限界なく進化していくという証拠でもあります。つまり今後もGPUの優位性は変わらないということになるんじゃないですかね。既にAIチップをASIC化したGoogleは、最新アルゴに追従するために多額の開発費を払うのでしょうかね?』

ディープラーニングの今後の展望

平成元年と令和元年とで世界の時価総額ランキングを比べてみるとたった30年で大きな変化があったことがわかります。

平成元には世界の時価総額ランキングTOP10のうち7社が日本企業でしたが、現在はTOP10には1社も日本企業は入っていません。

そして、現在の上位5社は全てがIT企業で占めています。

つまりインターネットの可能性を信じて技術投資してきた会社が上位を占める結果となりました。

日経平均アイキャッチ画像
【時価総額ランキング】平成元年 vs 平成30年~日本企業の世代交代が判る平成元年と平成30年とで日本企業の時価総額ランキングを比較しました。...

これは、AIでも同じことが起きると信じています。また、それによって時価総額ランキングの上位に日本企業が返り咲くことも十分可能だと信じています。

これまで2012年頃から急速に広まったAI技術はこの7年くらいで大きく進化しました。

AIがインターネットの次に起きるパラダイムシフトだとすれば、現在のAI技術はインターネットで例えるならば1998年頃(20年前)だと考えています。

もし、皆さんが1999年にタイムマシーンで戻ったら何をしますか?

当時の日本企業の多くの人はインターネットの可能性なんて誰も信じていませんでした。

あのグーグルでも検索エンジンを1億円で売却しようとした時期もあったけど、売れなかったという話も残っています。

当時は検索エンジンには価値はなく、ポータルサイトが最も価値を持っていました。

しかし、グーグルが検索結果に連動した広告モデルを開発したことと検索エンジンの精度が上がったことでビジネスとして大成功を収めました。

AIもまだビジネスに結び付けることに誰も成功していません。なので1998年頃のインターネットの状況と同じだと思います。

AIトランスフォーメーションプレイブック(AI Transformation Playbook)

AIトランスフォーメーションプレイブックというのは、アンドリュー・ウ(Andrew Ng)先生というAI業界では非常に有名な方がネット上で公開している「企業にAIを導入するための方法論」です。

Google、BaiduにAIを導入したのがアンドリュー・ウ先生と聞けば、その凄さが判ります。

簡単に概要を書きますが、詳細は下にあるリンク先から確認して下さい。

1.パイロットプロジェクトを実行する

GoogleがAIを導入する時ですら、AI(ディープラーニング)を信じる人は多くなかったので検索エンジンに適応することは不可能だったそうです。

そこで、GoogleはAIのパイロットプロジェクトとして音声認識を選んだそうです。

またパイロットプロジェクトは、半年から1年以内には結果を出すようにする必要もあるそうです。最初から時間を掛けても仕方ないってことですね。

2.社内AIチームを構築する

1のパイロットプロジェクトで成功を納めたら、社内にAIを広めるためにもAIチームを作る。その時にAIエキスパートをバラバラにせずにCEO、CTO、CIOなど経営層レベルの直下にチームを置く必要があります。

3.幅広いAIトレーニングを提供する

AIについて全社員が理解する必要があります。

  • 役員および上級ビジネスリーダー向け(4時間以上のトレーニング)
  • AIプロジェクトを実行するビジネス部門のリーダー向け(12時間以上のトレーニング)
  • AIエンジニアを目指す人向け(100時間以上のトレーニング)

4.AI戦略を策定する

20190405-AIEXPO-AIトランスフォーメーションプレイブック02

AI戦略についていきなり考える経営者がいるが、1~3までのステップを踏んだ後でないと戦略なんて出来ません。

AI商品を生む好循環は

  • 良い商品を作る→ユーザーが増える→データを増える→良い商品が出来る

という好循環が生まれるような戦略を考える必要があります。とにかくデータを生み出して活用(データ戦略)することが重要です。

5.社内外に対してAI戦略について説明する

  • 投資家
  • 政府関係者
  • 顧客
  • 外部人材
  • 社内

政府関係者とは、医療や自動運転技術など従来の法律では超えられない規制があることもあるので政府関係者を巻き込んでプロジェクトを進める必要があります。

外部人材とは、AI技術者はお金だけでなく設備や仕事の意味など多くのアピールをしないと優秀な人材が獲得出来ない状況になっています。

最後のまとめ

インターネット時代を通して私たちは

ショッピングモール + サイト ≠ IT企業

という関係を学びました。

インターネットの本当の力をうまく活用できるような組織設計をした企業こそが勝ち残ることが出来ました。

AI活用もインターネット同様に、うまく活用した企業のみがAIリーディングカンパニーとして生き残るでしょう。

AIトランスフォーメーションプレイブックについて日本語で書かれたQiitaサイト

松尾豊准教授が考える日本企業にAI導入する時に気を付けるポイント

日本は年功序列なので上への説明コストが高すぎると感じています。なので大企業などでは経営層に話すときは慎重にしないといけない。

AIは日進月歩で技術が進んでいるので英語で情報を取らないと日本語化されるのを待っていると周回遅れの情報しか取れないです。

松尾豊准教授が考える高専生の可能性

AI技術者はソフトウェアとハードウェアの両方を理解していないと使いこなせません。

そう考えると大学生はソフトウェアの知識はあるがハードウェアの知識がないので非常に苦労しています。

なので、高専生ならハードウェアは知っているので、あとはソフトウェアを教えれば良いのでハードルは低いと思っています。

なので、最近は高専生をAI技術者に育てることを考えてイベントなども実施しているので興味がある人は参加して下さい。

エレベーターの発明が高層ビル建設ラッシュの礎を築いた

20190405-エレベーターの歴史

産業革命が起きた時にエレベーターを最初に考えた人は、1階から2階に人を運べますと言っても、「だから何?」「階段で上ればいいじゃん」って言われたと思います。

確かに、産業革命が起きた時代には高層ビルなんてなかったので大した需要はなかったと思います。

しかし、そのエレベータが発展することで高層ビルを建てることが出来たと考えるとエレベーター発明の偉大さが理解出来ます。

つまり、AIもエレベーターと同じです。まだAIを使って何をするか?について誰も見つけていない状況です。

ただ、多くの企業から話を聞いていると100件に1件くらい割合でめちゃくちゃ凄いアイディアがあるのも事実です。

ディープラーニングという言葉がバズワードになっているのも事実ですが、確実に世界を変える技術であるのは間違いないと思っています。皆さんもAIについてもっと勉強して、この大きな変革の波に乗るにはどうすれば良いかを真剣に考える節目にきていると思います。

※最後に、メモと記憶を元に書き起こした内容ですので、間違いがあると思いますがご了承下さい。


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