目次
2019年2月7日15時にJT(日本たばこ産業)が2018年度末の決算発表がありました。
・海外たばこ産業の営業利益が2018年度通期で14.3%増
・国内たばこ産業の営業利益が2018年度通期で10.0%減
・2018年度の配当金は150円、2019年度の配当金は154円へ2.6%増
・自社株式の取得を500億円か2,300万株を上限に実施する
海外たばこ産業の営業利益が通期で9.5%増益
・ インドネシア・エチオピア・ギリシャ・バングラデシュ・フィリピン・ロシアにおける買収効果により、前年度比 7.3%増となった。
・イタリア・イラン・オランダ・スイス・スウェーデン・スペイン・チェコ・ドイツ・ハンガリー・米国・ポーランド・ルクセンブルク・複数の新興市場における販売数量及び市場シェアの伸長があったものの、台湾・フランス・ロシア等における総需要減少影響により減少した。
・GFB 販売数量は、ウィンストン(+3.9%)・キャメル(+2.8%)・LD(+2.2%)の数量増が牽引し、前年度比 2.3%増
国内たばこ産業の営業利益が通期で10.0%減益
・紙巻販売数量の減少影響(649 億円)により前年度比1.4%減となった。調整後営業利益は、紙巻販売数量の減少影響(544 億円)及び販促費の増加で前年度比 10.0%減となった。
・4Qの落ち込みは前年比で見ると調整後営業利益で-33.4%の減益となっていました。
2019年度の配当金が150円から154円へ2.6%増配予定
※アニュアルレポート 2017年度より
・年間の一株当たり配当金については、2018 年度は 150 円、2019 年度は 154 円を予定
・16年連続で増配となりました
自社株式の取得を実施
・JT(日本たばこ産業)の株主還元方針に基づき、自社株買いの実施を決定
積極的な事業投資を継続しながらも、起こり得る環境変化にも対応できる強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長に応じた株主還元の向上を図ることを株主還元方針で具体的には、
・1株当たり配当金について、安定的・継続的な成長を目指す。
・自己株式の取得については、事業環境や財務状況の中期的な見通し等を踏まえて、実施の是非を検討する。
2019年度の減収減益予測が発表された
・国内のたばこ需要の落ち込みが想像以上に早いのか、新規事業でカバー出来る見込みもないようで2019年度は厳しい年度となりそうです。
JT(日本たばこ産業)の株を購入するタイミングはいつが良いか?
ネット上では、今回の決算を受けて株価上昇を予測している人が多いですね。実際にPTSでも株価は上昇しています。(+1.0%程度の株価上昇です)
私もJT(日本たばこ産業)は高配当銘柄としては注目している日本の株です。
今回の決算発表を見て確信したのは、国内たばこ産業の減収減益により海外たばこ産業がJTの今後の売上高の拠り所となることです。新規事業(医療事業と加工食品事業)の売り上げが大きく発展すれば話は別ですが、まだそのレベルまでには来ていないと思います。
そうなると、今後さらに為替レートの影響を大きく受ける企業になっていくと思います。
つまり円高が今後進むとJT株価は下落し、円安が進むとJT株価は上昇するような相関関係が成立するのではないでしょうか。
私は短期にはドル円が100円を切る水準の円高になる可能性は高いと思っているので、JT株価が下げるタイミングは今後何回も来ると予想しています。その時こそがJT株購入のチャンスだと考えるので、しばらくJT株の購入は様子見状態を続けようと思いました。
逆に、もう100円を切るような円高局面が来ないと思ってい人は直ぐにでも買って良いタイミングだと思いますよ。私も長期的には円安(120円以上とか)に向かうと考えています。
2018年4Q決算発表後の株価推移は-2.16%の下落となった(2019/02/08追記)
PTSでは株価は上昇していたのですが、ザラ場では始まりから大きく下げて取引がスタートしました。
その後は後場にもダラダラと下げ続けて、最終的には-2.16%の下落となりました。
確かに日経平均も大きく下げていましたが、16年連続の増配と自社株買いを発表しても肝心の本業が先行き不透明な決算発表となっていたので、市場は冷静な反応を見せたようです。
この下げでさらに配当利回りランキングの上位となってくるのは間違いないですが、安易に飛びつくのは危険だと思います。
2018年4Q決算発表後(02/08)のJT1日チャート
JTには裁判リスクもある 追記:2019/03/03
カナダにあるJTの子会社「JTIマクドナルド」社がカナダ人(個人)から訴訟を受けていた裁判で1,480億円の損害賠償の支払いを命じられたことがニュースとなった。
原告は1998年に訴訟を起こして、2015年6月に一審判決で1,672億円の支払いを命じられてJT側は不服として控訴していたが今回の二審でも賠償金額は減っているもののJT側は敗訴してしまったそうです。
JT側は「内容を精査して上告も含めてあらゆる手段を検討する」と発表しています。
このような健康被害に関する裁判はカナダだけでなく、南アフリカやイスラエルでも起こされていてカナダで集中しており18件もあると言います。
これでJT側が完全敗訴して賠償金を支払うと、さらに裁判が増えることは容易に想像が付くのでJT側としては負けられない裁判なのでしょうが。。。
JT(日本たばこ産業)IR情報
▼▼Youtubeで資産運用実績を公開▼▼