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東証が株式市場全体の見直し・再編を検討しています。
最終的には2019年3月末を目途に報告書をまとめて発表する予定となっています。
ただ、提案というレベルでとどまっており、実施時期については明確にしていません。(1部の雑誌などでは2020年4月以降から開始されると言われています)
当然ですが水面下では、噂されている条件で東証1部企業から脱落することが確実になる企業は反発しているのでしょうね。
東京証券取引所の現状
東証1部、東証2部、ジャスダック、マザーズと4つあります。
東証1部に上場している企業は2126社、東証2部に上場している企業は492社、合計で2,618社あります。その中で8割を超える会社が1部企業となっています。
そして、東証1部に一度上がると降格することはほぼないそうです。時価総額のラインとしては10億円を下回ると東証1部から降格することになるが、9か月以内に10億円を超えればOKとなる。つまり、9か月連続で10億円を下回らなければ1部上場企業として存続可能となる。
1月23日時点の東証1部企業のワースト時価総額TOP10
東証1部上場企業で1番時価総額が低かったのは、中国工業でした。ちなみに本社が広島なので中国・四国地方の中国です。ここは、時価総額が19億円しかありません。また上場したのが1961年と古くからある老舗企業でした。
このように古くから残っている形だけの企業も多いので、厳しいラインを決めて東証1部上場企業の価値向上を狙うのは東証としてのブランディング戦略としては当然だと思います。
1月23日時点の東証1部企業のトップ時価総額TOP10
こちらは、1月23日時点での時価総額TOP10です。説明不要な有名企業のみです。
東証1部上場企業の数がなんでこんなに多いのか?ですが、なんと30年の間に2倍まで膨れ上がっているそうです。
東証1部から落ちることなく、どんどん入るだけの状況が長年続いたという証拠ですね。
見直し・再編後の東証1部上場企業
まだ東証からの発表がないので、ニュース等の情報をまとめています。
・時価総額500億円以上を東証1部として残る条件にする
・東証2部とジャスダックと東証1部から落ちた企業で市場を形成する
・新興市場のマザーズをさらに上場しやすくした市場を形成する
という3つの市場で構成することが有力のようです。
1月23日時点で500億超えラインより上の企業
企業数で1020社となっていました。なので、今後の東証1部企業が1000社となるようです。個人的には、まだ多い気もしますが・・・
個人て金は、東証1部企業は500社くらいが丁度良いのではないでしょうかね?
1月23日時点で500億超えラインより下の企業
こちらが微妙なラインにある企業です。
東証1部企業の再編で何が起きるか?
もし、このラインでバッサリと東証1部企業から降格が決まると株価は大きな影響を受けることになります。
なにが起きるか?というと東証1部企業ということでTOPIX(東証株価指数)連動ファンドが購入している場合は、当然そのファンドは一斉に売りに出るでしょうね。
またそれを想定して個人投資家も株価が上がりにくい状況となる企業は損切りしてでも手放すことになるでしょう。
このリスクを考えると長期投資で個別銘柄購入を検討している人は東証1部企業で500億円の時価総額には手を出しにくい状況が続きそうですね。
けど考え方を変えると現在の時価総額が500億円~400億円程度の企業は東証1部企業を死守するために、配当金を上げたり、株主優待を増額したり、自社株買いをしたりと株価を上げるための施策を始める可能性もありますよね。
さすがに、そこまで見越して株を購入している人は少ないとは思いますが、東証の再編ニュースは今後の株価に影響される企業は多そうですね。
ちなみに私は東証1部に残ろうが降格しようが企業価値に影響がないので、このニュースで左右される可能性のある企業の株には関わるつもりはありません。
時価総額以外の選定基準はあるか?
これも噂ですが、時価総額以外では以下の選定基準も検討されているそうです。
社外取締役の比率で企業ガバナンスを基準とする
東証1部上場企業の中で社外取締役が1/3に満たない企業の数がかなり多いんですよ。
なんと1,218社もの1部上場企業がこの条件だと落ちることになるそうです。
その中には、キヤノン、JT(日本たばこ産業)、大東建託、ソフトバンクグループ、日本電産などの超大手企業もありました。
投資家を守るという意味でもコーポレートガバナンスがきちんとしている企業を選別する努力はして欲しいと思います。
粉飾とか偽装なんかのニュースが出ると投資家は致命傷となりかねないので真剣に東証には検討して欲しいですね。
追記:2019/03/15 プレミアム、スタンダード、エントリー市場へ
3月中旬になり、3月末の報告書を提出を前に徐々に情報が出てきています。
毎日新聞ではこれまでの4部制(1部、2部、ジャスダック、マザーズ)から3部制(プレミアム、スタンダード、エントリー)に名称変更すると記事が出ていました。
1部上場って言葉は残すと思っていたんですが、思い切って名称から変えるようですね。
またプレミアム市場(1部上場)のラインとしては時価総額500億円ではなく、250億円と半分まで下がるようです。
2019/03/15時点での時価総額ランキングを調べると250億円以上の時価総額がある企業は1,648社もありましたね。
現時点の1部上場企業が2,100社程度なので500社程度が落第点を付けられる形となります。まだ少なくても良いと思うんですけどね・・・
WBSニュースでも東証再編についてやってた。#プレミアム市場 #スタンダード市場 pic.twitter.com/F2S7dvtaF1
— 株JIN.com (@sasa109sasa) 2019年3月15日
追記:2019/03/31 東証再編はいつから開始する?
このニュースを聞いた最初の頃には時間を掛けて決めるものではないので2020年頃を目安に東証再編は実施すると書かれた記事もあったのですが・・・
最新のニュースではトーンダウンして、2,3年後くらいの時間がかかると言い出している。
なんとも日本的とは思いますね。結局は多くの意見が出て収集をつけるリーダーシップのある人がいないので、みんなの意見を聞いてしまい最大公約数の意見を取り入れようとして時間がかかる的な感じでしょう。
サラリーマンをしている人なら、そういう雰囲気は痛いほど理解出来るでしょう。
東証幹部によれば、今回の「論点整理」は第1段階にすぎないのだという。今後、オープンな場を設けて市場関係者にさらに幅広く意見を聞く第2段階、その議論を具体的な上場基準に落とし込む第3段階、さらに細かい上場規則を改訂する第4段階があるという。これらの段階を丁寧に経ようとすると少なくとも今後2、3年はかかる。(東洋経済より引用)
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