先進国やアメリカのインデックス投資をやっている人の中には新興国へのインデックス投資は避けている人って意外に多い印象があります。
確かに最近は米中貿易摩擦の影響で新興国は全般的に成績が悪いのも事実です。
けど、私は新興国株式インデックスも新興国債券インデックスもポートフォリオに組み入れています。
具体的には以下の2つです。株式も債券も両方保有しています。
- 投資信託:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- 米国ETF:VWOB(新興国政府債券ETF)
新興国インデックス投資をするシンプルな理由
新興国はリスクが高いということで敬遠する人がいるのは知っています。
しかし、私が新興国の株式や債券をポートフォリオに組み込んでいる理由は「リスク分散」です。
自分の資産をリスク分散のために新興国を取り入れています。
リスクを取りたくないと新興国を敬遠している人とは全く逆の考えですよね。
なぜリスク分散で新興国を組み入れているのか?
それは以下で紹介した本からの影響が大きかったです。
その本は『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』という書籍です。
そこにはリスク分散について以下のように書かれていました。
元マッキンゼー社員だった著者の方がビジネススクールで金融工学を学んだ際にMBA学生でも投資の概念を理解できていないと感じる場面が度々あったそうです。例えば、最も大切で基本的だと思われる「分散投資」の概念でさえそうでした。
金融工学の授業では、多くの学生がこの理論は正しく理解できなかったそうです。
教授:今あなたは米国企業500社に分散投資しているとして、運用資金の総額を変えずに投資先を500社から501社に増やすとしてジンバブエ航空の株式を新たに購入したとする。(ジンバブエ航空が実在するかは知らないが、実在すると仮定する)そうすると、投資全体のリスクは上がるのか?下がるのか?
学生:投資のリスクは当然上がります。ジンバブエ航空の投資には高いリスクがあります。
教授:君はわかっていないようだね。いいかね、ジンバブエ航空の業績はアメリカ経済の景気とはほぼ無関係と言ってよいだろう。ジンバブエ独裁国家の政策に大きく影響されるからだ。こういう仮定をするとジンバブエ航空に投資することで投資全体のリスクは上がるのか?下がるのか?
学生:リスクは上がります。ジンバブエの政治リスクも加わるので当然リスクは上がります。
教授:(首を振りながら)いいかね。米国企業500社への投資にジンバブエ航空への投資を加えたらリスクは下がる。これらの株価の動きが無関係だと仮定すればリスクが打ち消され合い投資全体のリスクは下がる。これが分散効果だ。
学生:え??もう一度説明してもらえますか?
教授:理解できない人には理解できない。
私はこの文書を読んだだけでもこの本を購入して良かったと思いました。
それほど、衝撃的な内容でした。
それは私も直観的にリスクは下がると答えた学生と同じ意見だったからです。
けど、将来は誰にもわからないのであればアメリカが勝ち続ける未来も決まっていないとすればジンバブエ航空のようなアメリカ経済と異なる資産がリスク分散になるということはよく考えれば納得です。
そうなると新興国だったり、フロンティア市場への投資はリスク分散に有効だということになります。
さらに株式投資だけでなく債券やREITへの分散投資も意味があると言えるでしょう。
逆に購入したいと思っていたハイテクセクターのETFの購入は控えようという考えに変わりました。(けど、買いたい欲求は少し残っていますが・・)
例えばQQQというNASDAQ100指数に連動するETFがあります。
GAFAが勝ち続ける世界で好成績を出していますが、ある意味では偏ったETFを購入することは分散投資というポリシーに反するとも言えます。(企業の分散投資はできていますが、投資先企業に偏りがあるという意味です。)
なのでハイテク企業に投資したいのであれば自分で個別株を選別して買う。そうでなければセクターなどに依存しない分散投資をすることが重要だと考えるようになりました。
新興国へ投資した結果の投資成績は?
最近はじめた米国ETFは、含み損になっていますが大きな損失にはなっていません。
12月1日時点の成績はVWOB:新興国債券ETFが-1.66%でした。
2年前からはじめている投資信託は若干の含み益になっています。
ただ、同時に購入している先進国、特に米国への投資の含み益は10%を超えているので先進国への投資は現時点では上手くいっていないと言えます。
ただ、今現在がアメリカのターンであり、今後もアメリカが勝ち続ける保証はありません。
だからこそ、私は今後も一部の資産は新興国にコツコツ投資を継続したいと思っています。
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