以前に紹介したFIRE本『FIRE 最速で経済的自立を実現する方法』に続き、またアメリカで有名なFIRE本の翻訳本が発売されていました。本の帯では山崎元さんが推薦する本となっていますね。
ただ私はFIRE本を2冊とも購入して読みましたが、1冊目(以下の記事で紹介している本)の方が初心者向けの内容だったので、最初はこちらから読むことをお勧めします。
さて今回のFIRE本の特徴としては、4%ルール(トリニティ・スタディ)についてかなりページを割いて説明しているので4%ルールについて興味がある人には良書になると思います。(個人的には結構難しい内容だと感じたので何度も読んで理解したいと思います。)
また資産形成において2つのフェーズがあることについてこの本では定年に書かれていました。
- 資産を積み上げるポートフォリオ
- 資産を維持するポートフォリオ
この考え方についても非常に面白い内容でした。
『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』について
1975年から投資をはじめて2011年にFIRE達成したジェイエル・コリンズさん(@JLCollinsNH)がブログに書いていた内容を書籍化した本です。
ジェイエル・コリンズさんのブログ『JL COLLINS』
アメリカで発売された原本「The Simple Path of Wealth」は、Amazonのカスタマーレビューに1,058件中4.8という高評価を得ていました。
この本でも以前のFIRE本と同じように具体的な投資先はバンガード社のインデックス投資VTSAX(米国ETF:VTI)やVBTLX(米国ETF:BND)をすすめているシンプルな内容で、本の内容の多くを投資マインドというか借金をしないことや節約することの重要性などが多く書かれています。
例えばジェイエル・コリンズさんは本の冒頭で自分が長い年月を掛けて習得したことについて箇条書きで説明しています。
【お金についてのガイドライン】
- 収入の範囲で消費する。借金はしない。
- ここに書いてあることだけをすれば豊かになれる。お金だけでなく、人生そのものが。
- 借金するのは、血を吸う虫に覆われているようなものだ。
- ナイフを研ぎ、少しずつ虫を剥ぎ取りなさい。
- 収入をあるだけ使っているのは、お金にまみれた奴隷でしかない。
- お金に無責任な人と付き合わないこと。そんな人にあなたのお金を触らせてはいけない。
- 投資アドバイザーを近づけないこと。ほとんどのアドバイザーは自分のことしか考えていない。彼らと付き合って、よい運用先を選ぶのに時間を使うくらいなら、自分自身でやっていける。あなたのお金について、あなた以上に本気で考える人はいない。
- あなたは自分のものを所有しているが、同時にそれに縛られてもいる。
- お金で買えるものよりも貴重なのは自由であること。
- 人生にはお金以外の決断もあるが、どんな決断でも、その経済的なインパクトを常に考えるべき。
- 健全な投資は複雑ではない。
- 収入の一部を貯めよう。お金を貯めていないことがあとで自分を縛る障害になる。
- 節約してより多く投資すれば、「会社に縛られないお金」が早く貯まる。
- 収入の半分は投資に回そう。借金をしていなければ十分に可能。
- 収入の多くを貯蓄に回す利点は、投資を増やすだけでなく、控えめに暮らす方法も身につくことにある。
- 株式市場は投資する有力な市場だが、激しく上昇、下降することも忘れずに。そういうものだ。下がったらもっと買おう。
- ただし、下がったときに買うことはとても難しい。まわりの人々もニュースもパニックに陥り、誰もが「売れ」と叫んでしまう。
- メディアの人々の中には将来を予想できるという人もいるが、先のことは誰にもわからない。みんな妄想に駆られているだけ。無視しよう。
- 投資額の4%で1年を暮らせれば、経済的に自立しているといえる。
さらにこのようなたとえ話で畳みかけます。
仲のよい少年が2人いました。
彼らは別々の道を進みました。
1人は質素な僧侶に、もう1人はお金も力もある王様側近の大臣になりました。
何年もあと、2人が出会いました。
でっぷり太った大臣は、やせてみすぼらしい僧侶を見てかわいそうになりました。
助けようと思い、大臣は声をかけました。
「王様の役に立つ方法を学べば、米と豆しか食べられない生活をしなくて済むよ」
僧侶が応えました。
「米と豆で生きる方法を学べば、王様のためにあくせくしなくて済むよ」
このように投資テクニックなどというレベルの本ではなく、シンプルな資産運用について書かれている本でした。ただ、シンプルな投資を数十年も継続するには強い信念がないと難しいでしょう。その手助けとなるように自分の娘のために書いたブログ記事が本になっています。
なので投資をこれからはじめたいという人には読んで欲しい本だと思います。ただ完全な初心者には少し難しく感じるかもしれません。(個人的には最初のFIRE本よりは内容が難しいと感じました。)
またリタイアが近づいたら債券を増やすことを明確に勧めています。これは私の考えにも合っているのでとても参考になりました。そして本の後半には『株式と債券の割合毎に、年間何%引出せば資産が残るか?』について書かれた一覧表も面白い内容でした。
年間の引き出し額が7%を超えると株式、債券の組み合わせを変えても厳しくて引き出し額が3%以下であればまず失敗はないと書かれていました。
そして本の中で1番のおすすめとして書かれていた株式と債券の割合は『株式75%、債券25%で年間の引き出し率は4%』となっていました。これが4%ルールの数字の根拠になっているんだと思いました。
FIREについてもっと知りたい人は以下の記事をご覧ください。
これから投資を勉強したいと思った人は以下の記事をご覧ください。
この本で書かれている後半の内容は『Trinity study』(トリニティ大学の教授が書いた論文)が元ネタとなっていることをニューロンズさん(@Singularitalian)の『理系の錬金術:【条件別FIRE戦略】アーリーリタイアの指標となる資産額と切り崩し割合について【3.5%ルール】』で知りました。
なのでニューロンズさんのブログ記事を読めば、この本で書かれている後半の内容はイメージが付くと思いますので記事を読んでから本の購入を判断するのも良いと思います。
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